『魔導具師ダリヤはうつむかない』は、女性最大の不幸ともいえる「結婚日直前の婚約破棄」から始まる、「女が仕事で生きる道」の物語。
女性主人公ダリヤ・ロセッティが、王子様に惚れて惚れられて、幸せになる・・・のではなく、仕事一筋に生きて、美形の王子様に惚れさせる生きざまが描かれています。
もくじ
『魔導具師ダリヤはうつむかない』の評価ポイント
ストーリーの面白さ | ★★★☆☆ |
キャラクターの絵の魅力 | ★★★☆☆ |
戦闘シーン | 対象外 |
イチャラブ度 | ★☆☆☆☆ |
ハーレム度 | ☆☆☆☆☆ |
H度 | ☆☆☆☆☆ |
『魔導具師ダリヤはうつむかない』のあらすじ
・前世で大手家電メーカーのクレーム処理係だったOLは突然の胸の苦しみを訴えて、うつむきながら死を迎え、異世界にダリヤ・ロセッティとして転生した。
・異世界で幸せになると誓ったダリヤは、魔導具師の父のもと、前世の知識をベースに優秀な魔導具を生み出していく。
・父の勧めで、兄弟子と婚約し、同じ家で暮らそうと思った日に、パートナーから「すまない、ダリヤ。婚約を解消して欲しい。俺は・・・真実の愛を見つけたんだ!」
・当然、婚約は解消。婚約者を失ったショックがないことにショックを受け、気を紛らわすため、魔導具の素材探しのために、森に入ったときに、傷ついた兵士(ヴォルフレード・スカルファロット)と出会う・・・。
『魔導具師ダリヤはうつむかない』のマンガの魅力ポイント
ストーリーの面白さ
『魔導具師ダリヤはうつむかない』1巻は、ダリヤが、婚約破棄から立ち直り、新しく商会を設立して、ヒーローのヴォルフに出逢う直前までが描かれています。
元婚約者であり、兄弟子のトビアス・オルランドがどうしようもないダメ男で、ダリヤがそれに淡々と対応している姿がとても面白い。
やっぱり、話を面白くするのは、敵役如何にかかっているのかと思ってしまいます。
まず、婚約者のトビアス・オルランドは、トビアスの父親が亡くなったとき、実家の商会が大変なことになっているときに、ダリヤに事務作業等を手伝わせます。
さらに、婚約中のダリアの生活に過干渉することに。
例えば、
・酒が好きなダリヤに「みっともないから外で酒を飲むな」
・化粧の臭いが嫌いだから化粧はするな。
・ストロベリーキャンドル色の髪色は派手だから、暗い色に染めろ。
等々。
そんな婚約期間中、突然ダリヤの父親も亡くなってしまいます。
ダリヤがこれだけ尽くして、父親の死にショックを受けているのに、婚約者のトビアス・オルランドは結婚登録の前日に、いきなりの婚約破棄を宣言します。
また、婚約解消後のトビアスの行動もすごい。
・ダリヤが引っ越してくる前に、浮気相手を新居に引っ張り込んで、一発ことに及ぶ。
・新居はトビアスが引き取ることになったけど、ダリアへの支払いができず、自分がの浮気で婚約を解消した相手に借金をしようとする(周りから非難され、商業ギルドで借金することになるが)
・ダリヤが権利を持っている魔導具の権利を自分のものにしてしまう。
・ダリヤに贈った婚約腕輪を婚約解消したのだから返せという。
これだけのダメ男ぶりを発揮して、周りから白い目で見られるプロセスがとても面白い。
そして、トビアスとのトラブルが収まった後は、森に素材採取に出かけたときに出会った、超絶美形のヴォルフレード・スカルファロットとの友達以上恋人未満の関係が小説に描かれています。
ヴォルフレード・スカルファロットとの関係の部分は、ちょっと退屈かな・・・という感じ。
『魔導具師ダリヤはうつむかない』は、最初は面白いんだけど・・・。
キャラクターの絵の魅力
マンガの住川惠氏の絵はとても魅力的。
脇役の人たちもしっかり描けていると思います。
背景もきっちり書いていて手を抜いている感じはありません。
絵の上手い人に漫画を描いてもらうと、物語の魅力が数十%アップしますね、当たり前ですが。
ハーレム度、H度
女性主人公の異世界ファンタジーには、ハーレム度、H度の高いものに出会ったことはありませんね。
イチャラブ度
ヴォルフレード・スカルファロットはいつもダリヤと一緒に行動したがる。
ダリヤの家で夜を明かすことも。
それでも、二人は男女の関係になりません。
これでは、イチャラブ度が高いとは言えないですね。
最後に
住川惠氏のマンガ版『魔導具師ダリヤはうつむかない』の1巻あたりは、
・ダリヤの魔導具としての優秀さ
・トビアス・オルランドのダメ男さ
が、とても面白く描かれています。
しかし、その後の物語を、「小説家になろう」の『魔導具師ダリヤはうつむかない』を読むと、ダリヤとヴォルフレードの付き合うさまが、
「イマドキの中学生でもそんな付き合い方はしないだろ」と思うほど、プラトニックで、
まるで、おうちグルメ小説
といった感じでちょっと・・・ですね。
話は変わりますが、
『魔導具師ダリヤはうつむかない』は、釜田という方のマンガ版もあります。
何で、2種類あるのかは、分かりませんでした。
住川氏版は、
こちらは物作り・仕事をメインとしたお話で、魔導具師・人としての
ダリヤの成長を軸に物語を描いて頂いております。
釜田氏版は、
原作に沿ったストーリーを、テンポよく、
キャラが活き活きとした素敵な物語に描いて頂いております。
と作者が語っていました。
(https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1300935/blogkey/2275167/ から引用)