『理想のヒモ生活』は、現代人が異世界の王族になって、政治の世界で苦労しながらも、幸せに暮らしていく様子がなかなか楽しく描かれています。
異世界ファンタジーの多くは、
・チートな能力をえて
・異世界の悪党をバッタバッタと倒して
・きれいな女のことはべらす
というパターン。
でも、『理想のヒモ生活』の主人公ゼンジロウは、
非力で戦えない
転移能力はチートだけれど、一日2回しか使えない
特に、政治力に長けているわけでもない
という、現代人の能力そのままで、異世界で生きていくさまが、とても共感ができて面白いです。
もくじ
『理想のヒモ生活』の評価ポイント
ストーリーの魅力 | ★★★★★(マンガ・小説、両方の評価です) |
キャラクターの絵の魅力 | ★★★★☆ |
戦闘シーンのリアルさ、迫力 | ★☆☆☆☆ |
イチャラブ度 | ★★★★☆ |
ハーレム度 | ★★☆☆☆ |
H度 | ★★★☆☆ |
『理想のヒモ生活』のあらすじ
・ある日、ブラック企業に勤める山井善治郎(ゼンジロウ)は突然異世界に召喚される。
・目の前に現れた爆乳美女アウラは、異世界の女王で、いきなりゼンジロウ(山井善治郎)に求婚をする。
・なぜゼンジロウなのか?なんと、ゼンジロウの先祖が異世界から地球への転移者であって、王家の血脈の存続のための結婚だと明かされる。
・いきなりの話にゼンジロウは困惑するが、女王アウラの意図を読もうとする。
・アウラは、男性社会のカープァ王国始まっての女王。王配には、ゼンジロウのように余計な権力を持たないことが望まれていて、「これは、女王のヒモになれ、ということだ」ということを理解する。
・独身で、両親も事故で失い、地球の生活に未練はない。目の前にはドストライクな爆乳美女が。
・ゼンジロウは1日でアウラとの結婚を決意する。
・理想のヒモ生活をおくれると思っていたゼンジロウだったが、異世界の政治に巻き込まれ、望んでもいない側室を押し付けられ、異世界を渡っていくことに・・・
という感じのストーリーです。
ゼンジロウとアウラはラブラブなのですが、アウラは女王という立場から、ゼンジロウに側室を持つように要望。
側室をできるだけ避けながらも、最後はアウラの要望を受けて、側室を受諾するゼンジロウの姿が、とても面白い。
『理想のヒモ生活』の魅力のポイント
では、理想のヒモ生活の魅力のポイントです。
『理想のヒモ生活』のストーリーの魅力
『理想のヒモ生活』は、ストーリーが面白いです。
他の異世界ファンタジーのように、いきなり魔法や腕力で無双するのも面白いかもしれませんが、『理想のヒモ生活』の主人公のゼンジロウは、血統魔法の瞬間移動位しか使えません。
それも、一日二回という制限付き。
腕力は、異世界での女性並み。
政治は、器用にこなす部分もあるけど、傑出しているというわけではない。
そんな現代日本の普通の男が、現代知識とブラック企業で勤めていた時の営業の思考で、愛する女王アウラの為にガンバル姿がとても共感できます。
異世界ファンタジーで、主人公がハーレムを作っていく話は多いですが、多くの人は本当に何人も奥さんが欲しいかというと、そんなこともないんじゃないかと。
そんな常識を持って、「王族の男なら側室は当たり前だ」という異世界の常識に抵抗するゼンジロウの姿はとても読んでいて興味深く感じます。
『理想のヒモ生活』のキャラクターの魅力
キャラクターも個人的には高評価。
女性がかわいく美しく描かれています。
男性があんまり魅力的ではないのがちょっとだけ残念。
異世界ファンタジーマンガには、しばしばそのようなことがあります。
女性キャラクターに力を入れすぎて、男性キャラクターはおざなりになっているような気がしますね。
『理想のヒモ生活』のハーレム度
※前が、側室候補のウップサーラ王国の第一王女フレア姫。後ろはフレア姫のガードのスカジ
理想のヒモ生活のハーレム度は高くありません。
なんといっても、主人公のゼンジロウが側室を拒否しているのですから。
それでも、じわじわと増えていく側室候補。
しかし、成約まで時間がかかるので、ハーレム要素は薄いです。
2019年12月の進捗時点で、まだ正式には側室はいません。
フレア姫は「側室候補」です。
『理想のヒモ生活』のイチャラブ度
『理想のヒモ生活』の第1巻では、ゼンジロウとアウラのイチャラブ度はかなり高濃度です。
イチャラブシーンは多く描かれています。
しかし、2巻以降になると、政治的な話が多くなり、イチャラブ度はかなりトーンダウン。
さらに、主人公のゼンジロウが側室を望んでいないため、側室候補とのイチャラブもありません。
『理想のヒモ生活』のH度
主人公のゼンジロウとアウラのイチャラブ度が高い1巻には、一般コミックとしてはそれなりに濃厚な子作りシーンが描かれています。
しかし、2巻以降になるとそれも無くなり。
後は、ちょっとずつのサービスお色気シーンがあるだけです。
どうも異世界ファンタジーマンガでは、注目を集めたいがために、若い巻では、濃度高めのHシーンを出すけど、人気が出てくると、Hシーンを控える傾向があるんじゃないかな。
小説版『理想のヒモ生活』
ストーリーが面白いので、小説版『理想のヒモ生活』もしっかり読んでいます。
話がどんな展開になるのか、マンガ版を待ってはいられません。
マンガは小説のストーリーに忠実です。
そして、とても読みやすく、物語のイメージがしやすい。
すらすら読めます。
小説版の挿絵は、ちょっと魅力に欠けます。
マンガ版の方が好みです。
ゼンジロウも小説版は大学生みたいな感じに描かれているので、マンガ版の方が大人な感じがして感情移入がしやすいです。
小説は、この記事を書いている2019年12月の時点で、12巻まで出版。
北の技術大国ウップサーラ王国との貿易は、膨大な利益を得ると判断した女王アウラは、ウップサーラ王国第一王女のフレア姫をゼンジロウの側室にと話を進めようとします。
そのために、ゼンジロウはウップサーラ王国まで木造帆船で片道100日の航海に出ます。
ゼンジロウは、
・木造帆船での100日の航海への恐怖
・フレア姫の父の王様に「フレア姫を側室迎えたい」という、普通の親が聞いたら激怒するようなお願いをする
というとんでもない旅に臨むことに。
この時のゼンジロウの葛藤がとても面白く書かれています。
小説版もとてもおススメです。
最後に
アクのない異世界ファンタジーマンガ・ライトノベルと言えるでしょう。
ちょっと理屈っぽいところがあるのですが、私としてはそこが面白い。
主人公のゼンジロウは、「何もしなくていいって言ったのに・・・」という想いをちょっと抱えながら、愛するアウラの為に奮闘する姿。
一方アウラは、結果的に自分の都合でゼンジロウに負担をかけているという申し訳なさと、そのせいで夫の心が自分から離れてしまうのではないかという恐れを抱く姿。
そんな夫婦の微妙な距離感の描写も魅力です。
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おまけ
漫画を描いている「日月ネコ」という方なのでが、異世界ファンタジーを描くマンガ家の中では結構レベルが高い方だと思っていました。
他の作品を見たところ、「日月ネコ」というかた、R18系の漫画で活躍していた方だったのですね。
絵のレベルは高いと思いますので、他の異世界ファンタジーも描いてほしいものです。
ご参考までに、「日月ネコ」氏の他の作品にリンクを作っておきました。
日月ネコ氏の他作品