『盾の勇者の成り上がり』は、主人公への同情が止まらない異世界ファンタジー。
異世界に勇者召喚された主人公に与えられたのは「盾」。
「盾」の勇者は、攻撃ができず、守りだけという理不尽さ。
さらに、主人公は、悪辣な王と王女の罠にはまり無一文になる。
その上に、王女への暴行疑惑(王女の謀略)で評判は最悪。
ここで心折れそうなものだが、薬を作って小金を稼ぎ、地道にレベルを上げ、己の「盾」を進化させていく。
虐げられても諦めなければ、いつかは報われるといった、なんだか、自己啓発本の香りもしそうなな異世界ファンタジーの詳細はここから。
もくじ
『盾の勇者の成り上がり』の評価ポイント
ストーリーの面白さ | ★★★★☆ |
キャラクターの絵の魅力 | ★★★★☆ |
戦闘シーン | ★★★★☆ |
イチャラブ度 | ☆☆☆☆☆ |
ハーレム度 | ★☆☆☆☆ |
H度 | ☆☆☆☆☆ |
『盾の勇者の成り上がり』のあらすじ
・次元の亀裂から発生した魔物を退治して欲しいとのことで、岩谷尚文は異世界のメルロマルクという国に「盾の勇者」として召喚された。
・召喚された先には、自分の他に「剣の勇者」天木錬、「弓の勇者」川澄樹、「槍の勇者」北村元康も召喚されていた。
・盾の勇者は攻撃ができず、防御しかできないため人気がなく、尚文にはマイン・スフィアしか従者がつかなかった。
・尚文は盾の勇者のため武器を身にまとえず、マインの装備に支度金をほぼ費す。
・そして初日のレベル上げのクエストの次の日、マインとお金と尚文の装備が消えてきた。
・なんとマインが尚文のもとを奪い、槍の勇者のもとに走っていた。さらに、その理由を尚文がマインを暴行したためと。
・尚文は他の勇者からさげすまれ、城から放逐される。
・だから、尚文は自分を貶めたものへの復讐誓うのであった。
・しかし、尚文は戦えないので、戦闘用の奴隷:ラフタリアを購入。ラフタリアを鍛えて、金・経験値を上げることに。
・尚文の自分を裏切った者への見返しの旅が始まった。
『盾の勇者の成り上がり』魅力のポイント
ストーリーの面白さ
『盾の勇者の成り上がり』のポイントは、主人公の尚文が自分に起こった不幸を乗り越える姿。
・攻撃ができない勇者
・王女マインに裏切られて、暴行犯の汚名を着せられ、金を持ち逃げされる。
・槍の勇者に決闘を申し込まれて負ける。そして、奴隷のラフタリアを奪われそうになる。
物語の初めの方は、「盾の勇者を応援したくなってしまう」ような気持ちにさせられるところが魅力。
主人公の尚文は、自分を貶めた相手を殺したいと思いますが、ぐっとこらえて、心を憎しみに染めつくさず、ギリギリのところで人間として踏みとどまります。
そんな姿もなかなか響きました。
物語が進むと盾の勇者の不名誉な噂は覆り、主人公を陥れた王と王女は、嬢王に罰せられ、失脚。
この辺りは読んでいて、けっこう心がスッとします。
盾の勇者の名誉が挽回された後は、盾の勇者とそれ以外の勇者の確執の物語が続きます。
個人的には、この辺から、『盾の勇者の成り上がり』の面白さがちょっとトーンダウンするような感じでした。
キャラクターの絵の魅力
『盾の勇者の成り上がり』の絵のレベルは高いです。
線も太くて読みやすい。
それぞれのキャラクターの表情も豊かです。
女の子のキャラクターもかわいく描かれいます。
ラフタリアはとて魅力的です。
男性キャラクターも丁寧。
勇者が4人も登場するので、キャラクターの描きわけも大変だと思いますが、しっかりとキャラが立っています。
戦闘シーン
『盾の勇者の成り上がり』は、いい戦闘シーンが多いです。
尚文は盾の勇者なので攻撃するシーンはないのですが、盾で攻撃を受けるシーンなど上手い。
戦闘シーンでのラフタリアが、躍動しています。
ラフタリアが幼い時から描かれているのですが、幼い時も、少し育っての戦闘シーンもよく描かれています。
ハーレム度
尚文はラフタリア、フィーロ、リーシアと女の子を引き連れているのですが、ハーレム的ではありません。
「槍の勇者」北村元康はハーレムを形成していますが、『盾の勇者の成り上がり』ではどのようにハーレム形成をしているか、では詳細は分かりませんでした。
イチャラブ度
尚文とラフタリアの絆が深いです。
イチャラブじゃなくて純愛風です。
H度
ありませんな。これが・・・残念。
最後に
『盾の勇者の成り上がり』の最初の尚文が貶められるシーンは、なぜか多めの感情移入をしてしまいました。
なぜなんだろうと考えたら、思い当たることが。
『盾の勇者の成り上がり』は、
・お金を盗まれる
・暴行犯として濡れ衣を着せられる
という、現代日本でもありそうなことなのですね。
多くの復讐系異世界ファンタジーは
・裏切られて殺された
・凶悪な森や深いダンジョンに死刑同然で捨てられた
・親・兄弟・友人すべて殺された
などで復讐に走りますが、これはどうにも現実的な事象ではありません。
だから、『盾の勇者の成り上がり』は、復讐の原因になったことにたいして想像しやすいので、感情移入しちゃうんじゃないでしょうか。
小説は「小説家になろう」の『盾の勇者の成り上がり:https://ncode.syosetu.com/n3009bk/』で読めます。
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