『ウォルテニア戦記』は、壮大な、大河ドラマを連想させる異世界ファンタジー。
ストーリの整合性がとれていて、破綻したところがなく、内容の面白さ、ストーリーの質の高さともに高レベル。
浮ついたところがほとんどなく、ド硬派の異世界ファンタジー。
「重厚な物語をしっかり読みたい派」の異世界ファンタジーファンのあなたにおススメです。
もくじ
『ウォルテニア戦記』の星評価
ストーリーの面白さ | ★★★★★ |
キャラクターの絵の魅力 | ★★★★★ |
戦闘シーン | ★★★★☆ |
イチャラブ度 | ☆☆☆☆☆ |
ハーレム度 | ☆☆☆☆☆ |
H度 | ☆☆☆☆☆ |
『ウォルテニア戦記』のあらすじ
・御子柴亮真は2メートルにも届きそうな、ガタイのいい16歳の高校生。
・武道をたしなむ祖父(浩一郎)に、なぜか毎日、殺し合いレベルの稽古をつけられている。
・そんな亮真が、ある日、突然異世界に召喚されてしまう。
・亮真は、自分を囲う謎の人物たちからの自分への視線を読み、彼らを敵対者と判断。
・祖父から受け継いだ殺人技を駆使し、そこにいた異世界人を皆殺しにして、城からの脱出を図る。
・脱出の過程で、奴隷に落とされた貴族の双子姉妹を救うことに。
・双子姉妹と行動を共にし、故郷地球に戻る道を探すが、その過程で内乱に巻き込まれることに。
・内乱で国王派を手助けして、勲功を上げた亮真はその国の貴族に陸爵。
・ここから、異世界において亮真の国造りの一歩が始まった。
ウォルティニアというのは、御子柴亮真が貴族として与えられた領地の名前です。
話が進むと、そのまま亮真の国の名前になるのかもしれませんが。
『ウォルテニア戦記』の魅力のポイント
ストーリーの面白さ
『ウォルテニア戦記』は、とにかくストーリーが面白い。
まるで、N●Kの大河ドラマのように話が進みます。
軽い話の展開が多い異世界ファンタジーマンガ・ライトノベルの中で異色の存在。
「重厚長大」の面白さです。
ウォルテニア戦記の世界
『ウォルテニア戦記』の異世界の想定がすごいんです。
・地球人は、初期は弱いけど、能力の吸収率が、異世界人よりもはるかに優れていて、異世界人よりも能力が高くなる可能性がある。
・地球人は呪印を施すことにより、主人に逆らえなくする法術がある。だから、地球人は基本的に奴隷以下の扱い。
・能力的に優れている地球人は、高い地位に上がることもできるが、主人には逆らえないので奴隷には変わりない。能力のないものは、労働奴隷、性奴隷にされたり、殺処分される。
はっきり言って、召喚された地球人の敵という感じの世界。
そんなんだから、召喚された地球人はすべてが、異世界に恨みを持ち、レジスタンス組織も存在することに。
長く、異世界に生きる地球人はかなり壊れているように描かれています。
壊れながら、この異世界に反逆する地球人の姿を思わず応援したくなってしまいました。
ストーリーの整合性が高い
異世界ファンタジーマンガ・ライトノベルに限った話ではありませんが、「そこはちょっとおかしいだろう。」というところって結構ありますよね。
例えば、普通の高校生が異世界に行ったら、いきなり国家の財政を立て直してしまうとか。
『ウォルテニア戦記』は、高校生の御子柴亮真が異世界召喚されて、いきなり召喚者を殺戮するというハードな場面から始まります。
と突っ込みたくなるところ。
しかし、ちゃんとこの伏線は回収されているんです。
御子柴亮真の祖父の浩一郎は、異世界から奇跡の帰還をしていて、「将来、亮真が召喚されてるかもしれない」といことに備えて、殺人技を伝授しておくというのです。
さらに、御子柴亮真は、異世界で天才的な戦略家とも描かれています。
という突込みも入れたくなるところ。
そこも、御子柴亮真は祖父の浩一郎から、中国の古典にある戦略論をたたき込まれていたという設定。
『ウォルテニア戦記』の中で、異世界に転移させられた人物が持ち込んだとされる中国の原書で、戦略論を勉強している亮真の姿が描かれています。
このように、ていねいにストーリーが作られているので、長い話もずんずん読んでいけます。
キャラクターの絵の魅力
『ウォルテニア戦記』は、線を太く描く、私好みの絵柄。
主人公の亮真もしっかり描かれ、喜怒哀楽の表情も良く描けています。
亮真に従うローラ、サーラも魅力のある女性として描かれていて、好きな感じです。
戦闘シーン
レベルの高い躍動感のある、戦闘シーンが展開します。
ウォルテニア戦記は戦争ものではありますが、亮真の戦闘シーンも多々登場します。
だから戦闘シーンはとても重要、そんな戦闘シーンがしっかり描けているので、マンガの魅力も倍増です。
作画を担当した、八木ゆかりさんいいですね。
イチャラブ度、ハーレム度、H度
亮真は美少女姉妹ローラ、サーラを常に従えていますが手を出しません。
ストーリーが進む中で、魅力的な女性が登場しますが、亮真は基本的に手を出さないみたいです。
自分が地球に帰還することが前提なので、ここで真面目な気持ちで手を出すと、地球に帰るための行動に支障が出そうという亮真の考えからきているようです。
だから、イチャラブ的な話ありません。
ハーレム的なモノを作るという設定もありません。
H度に関しては、サービスシーンもほぼありません。
まさに、硬派な異世界ファンタジーマンガ・ライトノベルです。
最後に
2020年2月の時点で、小説は13巻。
13巻ではまだ国を作るところまで到達していません。
国を作って、国を強くして、自分を召喚したオルトメア帝国に攻め入って・・・。
さらに、亮真の飛鳥と祖父の浩一郎も異世界召喚されてしまいそっちの話もしなくてはいけないので、かなり長くなるでしょう。
『ウォルテニア戦記』は「小説家になろう」でも読めます。
最近は一カ月に1回弱くらいの更新なんで、「小説家になろう」で連載が続くか心配です。
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